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マイナ保険証とこれからの労務の話(2)

個人にとって大きいと感じる点は、医療情報の連携です。

服薬情報や診療履歴が共有されることで、薬剤師や医師が必要な情報を正確に把握できます。体調が悪く説明が十分にできない場面でも、引っ越し等で受診先が変わった場合でも、過去の情報がそのまま伝わり、診療の質がぶれにくくなります。対応医療機関であれば情報が引き継がれる点も安心です。

さらに令和7年10月からは、救急隊もこの連携に加わりました。
意識を失っていても、受診歴や服薬歴が医療側に届き、禁忌薬の回避や不適切な処置の防止につながります。原因にも早くたどり着きやすくなります。家族が状況を説明できない場面でも、命を守るための情報が医師に届く仕組みです。

高額療養費制度も使いやすくなりました。
従来は、入院前に「限度額認定証」を申請して病院に提示しておかなければ、高額の医療費をいったん立て替える必要がありました。しかし急な入院では、認定証を用意して駆けつけるのは現実的ではありません。「マイナ保険証」でオンライン資格確認が行われれば、自己負担限度額が自動で伝わり、持ち歩いているだけで立て替え負担を抑えやすくなります。

制度には課題もありますが、自分にも家族にも、命を守る選択肢が一つ増えたと感じています。