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副業を認める会社が、先にやるべきこと

副業解禁について書いた前回の記事のあと、あらためて現場を思い返していました。アルバイトが「副業をしたい」と言ってきたとき、顧問先から「許可していいですか」と聞かれる場面は、決して珍しくありません。

そのたびに感じるのは、副業を認めるかどうかを決める前に、もう一段、確認しておきたいことがあるという点です。

右手で副業を認め、左手で求人広告に費用をかける。この並びは、労務管理の話というより、経営の話に近いと感じています。

たとえば、なぜ最初に「うちで働く時間を増やすことは考えられないか」と聞かないのか。シフトの問題なのか、収入なのか、仕事内容なのか。そこを確かめないまま外に目を向けさせることは、結果として、人を自分から手放す選択に近づいてしまうこともあります。

副業という言葉は前向きに聞こえますが、実際には今の仕事を残したまま、別の選択肢を探す動きであることも少なくありません。天秤にかけられている状態に、企業側が気づかないまま、話が進んでしまうこともあります。

人手不足は採用の問題として語られがちですが、実際には仕事と時間の設計の問題であるように感じています。その視点を持たないまま副業を認めても、人の定着にはつながりにくいのが現実です。そして、その結果を引き受けるのは制度ではなく、最終的に判断した経営者自身になります。