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年末調整は、組織を点検する行事でもある

年末調整は、多くの会社では給与計算の付随業務、事故なく終わればそれでよい労務として扱われがちです。

しかし、社会保険労務士としてこの業務に関わっていると、年末調整は単なる事務作業以上の側面を持つ行事だと感じることがあります。提出期限への意識や書類の扱い方、差戻し時の対応などから、その人の事務処理や段取りの特性が、自然と表れやすいからです。

たとえば、必要書類とは異なる資料が添付されているケースや、紛失を理由に期限延長を求められるケースがあります。それ自体を良し悪しで判断するものではありませんが、会社・人事としては、当該従業員や所属部署を含めた業務の進め方に、何らかのつまずきがあるのかもしれないと感じるきっかけにはなります。

もちろん、こうした対応をもって人事評価に直結させるべきではありません。ただ、それを見なかったことにするのではなく、組織運営上の気づきとして捉え、必要に応じて現場とすり合わせていく。年末調整は、組織を点検する貴重な機会でもあるのではないでしょうか。