残業の数字だけ見ても、何もわからない
36協定の話になると、上限をいくつにするか、という話になりがちです。ただ、上場準備の場面で見られているのは、そこではありません。残業で支えているのか、それとも残業がなくても回るのか。そのあたりを見られます。
例えば、人が少し抜けただけで回らなくなる会社があります。ほんの数人が退職しただけで、特定の人に負荷が寄り、結果として違法な残業が出てしまう。こういう状態は、意外と分かってしまうものです。
一方で、残業が続いているのに採用をしていない会社もあります。人を増やさない理由があるのか、それとも後回しになっているのか。このあたりも、自然と見えてきます。
上場準備では、入退職と残業の数字は並べて出します。別の資料のようでいて、並べるとその会社の回し方が見えてくるからです。残業の数字だけでは、あまり意味はありません。採用や退職と一緒に見たときに、その会社のやり方が出てくるものです。
見られているのは、どこに無理があるのか。それがこの先も続くのかどうか、という点だと思います。ここにある程度の説明がつく会社は、安心して見られますし、逆にここが曖昧だと、制度が整っていても少し不安が残ります。上場できるかどうかは、書類の出来というより、こういう部分に出てくるものかもしれません。



