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雇用契約締結により企業に生じる2種類の義務

雇用契約を締結すると、企業には2種類の義務が生じます。

A この国(行政) に対する義務 【刑事】
B その人(労働者)に対する義務 【民事】

 

残業を例にとりますと、次のとおりです。

A 法令に反する残業をさせれば、それは違法であり、行政からは指導を・司法からは罰を科されることとなり得ます。
B 契約に反して残業代を支払わなければ、それは債務不履行であり、労働者からは債務の履行(損害賠償)を求められることとなり得ます。

 
つまり、下記のような事例は片手落ちといえます。

・残業代は支払うのだが、違法な残業時間である。【刑事 違法残業】
・残業としては適法だが、残業代は未払いである。【民事 賃金未払い】

 

国と人、どちらに対する義務もないがしろにはできません。

補足
賃金未払いは、賃金支払いの5原則違反として【刑事】にもなり得ます。