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スタートアップは特に注意すべき裁量労働制の改正

2024年4月、専門業務型裁量労働制(以下「裁量制」といいます。)が変わります。裁量制を適用することの同意を個々の従業員から得る必要が生じます。加えて、その同意を撤回できる権利も付与せねばなりません。2024年4月以降に新たに導入する場合はもちろん、2024年4月以前に既に導入している場合もこの改正は適用されます。

労使協定を締結し、就業規則に定めても、その従業員の方が同意しなければ、その従業員の方には裁量制を適用できません。同意のもと、裁量制を適用していても、同意を撤回されれば、その従業員の方を裁量制の適用から外さなければいけません。

裁量がないのに裁量制が適用される(されている)とその従業員の方が感じている場合、不同意(又は撤回)されるでしょう。つまり、原則の労働時間管理を行う必要が生じます。その結果、たとえば10時間の恒常的就業に対して8時間とみなす裁量制を適用していたとき、不同意(又は撤回)後は、2時間分の残業代を支払わなければなりません。

スタートアップでは高額の年俸制の雇用契約もよく見受けられます。裁量制の適用を年の途中で撤回された場合、当初定めた高額の年俸に加え、高額の残業代の支払負担も生じる恐れがあります。当初の雇用契約の締結内容がますます重要になるでしょう。

 

【厚生労働省リーフレットより抜粋】