M&Aにおける雇用調整助成金のインパクト
各都道府県労働局より「雇用調整助成金の不正受給に係る事業所名等の公表」が続いています。公表のない月はない、といった状況です。
雇用調整助成金の申請が長期に渡る場合、受給額は大きくなります。よって、不正な受給額が数千万円ということも決して珍しくはなく、億を超えるケースも散見されます。不正を行った事業主に対しては、不正な受給額に加え、違約金・延滞金の返還(支払い)も国から求められます。
M&A後にこのような不正が発覚した際、それらの返還義務を負うのは、通常、買い手企業様です。包括承継した場合には、M&A前に売り手企業様が行った全てを引き継ぎます。つまり、不正申請の結果責任も引き継いでいるのです。不正を行った者として「今の」代表者の氏名も公表されます。資産に加え、信用も毀損されるということです。
非常にインパクトの大きい事項であり、この点の詳細な調査をしないままM&Aを実行すべきではないといえるでしょう。
【厚生労働省リーフレットより抜粋】
【東京労働局HPより抜粋】